不登校だった/底辺高校にいる諸君へ:大学受験に関するもろもろ
ありがたいことに僕が大学に受かってから書いた記事を未だに読みに来てくれる人がいる。質問をしてくれる人もいて、記憶を辿りながら答えている。
質問と回答が結構たまってきたので、整理してまとめることにした。少しでも参考になると嬉しい。
1. 中学校の勉強はどうやって消化したか
よく聞かれる質問。僕が「中学校の勉強」というのがいまいちよくわかっていないのもあるかもしれないけれど、個人的には必要を感じていない。
教科書の目次を見比べてみると中学校と高校の教科書で似通った内容を扱っているのに気づくと思う。特に英文法と理科は高校のものだけで十分な感じがする。
高校の教科書や参考書は、読めば大体理解できるように書かれている。それでもわからないときは学校の先生に聞いてみるといい。必要なのは、解説文に食らいつく(理解しようとする)根気と、疑問を解決してくれる(or 指針を与えてくれる)人ではないかと思う。
とは言え、僕にも中学校の勉強を消化するために(ほとんど無意識に)やっていたことがあるので、科目別に列挙しておく*1。
1.1. 国語
苦手意識があった。
- 漢字
- 現代文
- 唯一中学の積み重ねが必要そうな文法は完全放置
- 古文
- 高2の夏以降に文法・単語ともに高校の参考書で覚えた
- 漢文
- 高3の夏に文法・単語ともに(略)
1.2. 数学
いまでも苦手(特に計算が)。
- 幾何
- 数学Aの「平面図形」(現:図形の性質)で自然と復習した(教科書+高校の授業)
- あとは問題集の解説を見て、知らないものが出てくるたびに書いて覚える
- 代数(方程式とか関数とか)
- 高校入学前の春休みで、方程式・因数分解・平方完成は練習したが、それ以外は高校で学習
- 計算力不足には最後まで苦しんだ(何か月間か毎朝100マス計算に取り組んだ)
- 確率
- 高校の教科書と参考書
1.2. 英語
英語は好きだったのである程度中学生自体に学習済み(とはいえ、中学生の平均以下で、特に発音が大変なレベル)
- 英単語
- VITAL1800(CD付)を中学卒業時に購入して、半年ほど通学中に聞いていた
- それ以外は教科書や参考書の例文を書いて覚えた
- 文法
- 高校の文法書だけ
1.3. 理科
中学の理科ってどんなのだっけ…
- 中学校の教科書や問題集を開いた記憶がない
- いまは亡き「理科総合」(現:「科学と人間生活」)が中学の内容を含んでいた
1.4. 社会
中学の社会ってどんなのだっけ…
- 中学校の教科書や問題集を(略)
2. 遅れをどう取り戻すか
だいたいの学校の進度は遅い。一般的な学校(進学校は除く)程度の内容ならば、たぶんその半分以下の時間で学習できる。追いつくどころか追い越すことだって可能*2。
「遅れ」に関しては過大に不安を感じがちだけれど、闇雲に悩むのは精神衛生上よくない。まずは見通しを立てるのがいいと思う。さらに可視化すると気持ちが楽になる(問題集(基本的なもの)の目次を開いて、少しでも不安なところに印をつけるなど)。
計画の立て方と実際の学習については後述(7.1)。
3. 不登校でも(底辺高校でも)大学にいけるか
大学受験に限って言えば、きちんとした積み重ねで十分挽回できるものだと信じている(信じたい)。
ただし、学校のカリキュラムがちょっとしたハンディになるときもある。僕の学校では「物理II」(現:物理)、「物理II」(現:化学)が開講されていなくて、その上「数学B」と「世界史B」が履修できなかった。
そのため独学の必要が生まれたのはもちろんだけれど、いくつかの大学の推薦入試やセンター利用入試の受験条件が満たされないことにもなった。
学校の授業が簡単すぎて復習にすらならないと感じることがあるかもしれない。でもあまり学校を欠席すると僕のように生徒指導を受ける羽目になるので、気をつけたほうがいい。
4. どうやって勉強する習慣をつくるか
僕は高校入学直前までおよそ4年間ほとんど勉強をしないで過ごしてきた。高校に入ってからも、はじめは勉強が手につかず苦労した。
昔、「脳みそも筋肉と同じで使わなければなまる。軽めの運動からリハビリを続ければ動くようになる」と言われた。今振り返れば割とそんな印象だった。
はじめの半年ほどや、その後気分が乗らないときは意識的に
- ルールと達成した時のご褒美を決める→紙に書いて貼る(今日は○ページすすめる→出来たら○○する)
- 家族のいるところで勉強する(監視してもらう)
- まったく勉強しない日を決める
- 実際金曜日はまったく勉強しないことにしていた(高1の夏まで)
- できるだけ単純なものからはじめる(漢字の書き取り・計算問題などなど)
- 毎日1時間早く学校に行って勉強する
- 毎日必ず空いている時間に勉強する
- 例: 朝起きてから朝食まで / 家に帰ってから夕食まで
ということをやっていた。
5. 一日どれくらい勉強したか
高校2年生までは競技プログラミングにお熱だった上に、もともと眠たかったら昼寝をするし夜12時前には寝たい人だったので、勉強時間がむちゃくちゃ多いというわけではない。
- 高1
- 平日は2h(朝1、夜1)ほど。サボる日もある
- 休日はあまり覚えていないけれど、4hくらい
- 定期テスト前はもう少し多い
- 高2
- 高3
- 平日(秋まで)は、大体4-6hくらい。朝起きてから登校するまで1h、学校着いてから授業まで1h、昼休みに30min、帰ってきてご飯を食べてから寝るまで3h、な感じだった。移動中は暗記物
- 休日は1年間9h~11h(午前3-4h、午後6-7h)ほど
- 夏休みは1か月で300h近く
- 冬~直前期は時間をほとんど意識していなかったので忘れてしまった
6. 何から手をつけるか
科目について言えば、理系だったので英語数学を高1高2で重点的に勉強して、その次に理科・国語(特に古文漢文)・社会という感じだった。
勉強をどう進めればいいか考えるときに、一番手っ取り早いのは参考書をベースにすることだと思う。参考書は例えば2chのまとめサイトなどで調べられる。
とりあえず何か一冊参考書を決めて、2,3か月で消化する(例題を大体解けるところまで持っていく)ことを目標にしてみるといいかもしれない。
7. どうやって勉強するか
7.1. 見通しを立てる
闇雲に進めるのは危険だし、何よりも毎日やるべきことを淡々と消化するというスタイルのほうが楽。
(i) 1年の計画
春休みに大まかに1年の計画を立てていた。上で書いた通り参考書がベースになっている。
まず、ネットで参考書の難易度を調べて、次に使う参考書と時期を考える:
例)数学(高3の春に設定)
4月~7月:青チャートIIIC(教科書レベル~ちょっと難しめ)
8月~11月:1対1対応の演習IAIIB(チャートより難しいか同程度)
11月~12月:理系の良問プラチカIIIC(1対1より難しめ~アホみたいに難しい)
1月~:センター数学の過去問と早慶・京大の過去問(実戦演習)
数学の科目名は旧課程に従っているので、なんとなく補完してください。
(ii) 1か月の計画
月初めに模試の結果や前の月のやり残しなどを踏まえてTODOリストみたいなものをつくっていた。
- 現状の課題を洗い出し(例: 数学の微分積分に自信がない)
- それを解決するためにやらなければいけないことを考え(例: 青チャートで該当単元を復習する)
- 具体的な1か月のノルマを見積もりをする(例: 青チャートのp.XX ~ p.YY の例題を1か月で解く)。
(iii) 週ごとの計画
これも月初めに決めていた。
(ii)の月別計画をもとに以下を決める:
- 一日の中で勉強可能な時間を調べる(朝食前・授業前・昼休み・夕食前・就寝前などなど)
- (ii)をもとに科目を配分する(月曜日は数学物理・火曜日は数学化学、…日曜日は1週間の復習、等)
あくまで目安で、実際はうまくいかないときもある。適当に無視していた。
大事なこと
上で紹介してきた計画は、頭の中だけで考えていたわけではない。チラシのウラとかに必ず書き出して、出来上がったものは部屋の壁に貼っていた。こうやって計画を見える状態にしておくことで、淡々と勉強する習慣が維持できたと思う。
7.2 復習のサイクル
初見で間違えないことよりも、1度間違えた問題を2度と間違えないようにすることの方がはるかに大事だと思う。というわけで問題集に印をつけたりして復習のサイクルをつくっていた。
このやり方は結構いろいろなところで見かける。和田某(受験の本いっぱい書いている人)の本にも書いてあったような気もするし、『受験勉強法Blog |◎○×勉強法』のものともよく似ている。
初回はこんな感じ:
- 初見で解けた問題
- 問題の横に○印と日付を入れて、あとはほぼ放置
- 間違えた問題
- ×印と日付を入れて、後日必ず解き直す
2回目以降も同様に:
- 2回目以降で解けた問題
- 問題の横に○印と日付を入れて、たまに見返す
- 2回目以降も間違えた問題
- ×印と日付を入れて、後日必ず解き直す
- 愚かな自分を恥じる
そうやってすべての問題に○がついたところで、その問題集は「終了」としていた。
一週間の流れは次のような感じ:
- 月~土曜日
- 前日×印がついた問題を解き直す
- 新しい問題を解く
- 日曜日(復習日)
- 新しい問題は解かない
- ×印がついている問題をすべて解き直す
ただし、国語の読解問題や英語の長文読解問題などは文の内容を覚えてしまうので、読み方や単語を復習する程度にしていた
7.4 計画通りにいかない問題(2014/8追加)
はじめは月曜日から日曜日までノルマを詰めていたが、一瞬でパンクした。
そこで、日曜日を復習日に当てて(ノルマを入れない)、平日の遅れを回収することに決めた(上で書いたような感じ)。それでも消化できなくなってきたり、同じ間違いの繰り返しが増えてくると、それは軌道修正のサイン。できるだけ早くノルマや予習・復習のバランスを調整した。
進度に不安を感じるとノルマを詰め込んでしまい、詰め込むと達成できなくなり、達成できないと不安になって…という悪循環に陥ったりしながらも、少しずつ自己評価と軌道修正がうまく出来るようになって行ったと思う。
英単語と英熟語の学習方法(2014/8追加)
英単語・熟語の意味を覚えるときにできるだけ今までに覚えた英単語と結びつけるようにしていた。
英単語は通学の時間(片道1時間)に毎日勉強していた。使っていた単語帳は以下の三冊:
- VITAL1700
- 中学校レベルの単語帳で、CD付きだったので購入。評判は知らない。高1の秋くらいまで読んでいた。
- DUO 3.0
- CD別売り。復習用CDを毎日の通学(片道1時間)で聞いていた。高校2年の10月に購入して、最後まで使用。
- smart.fm(限iKnow)記事1,記事2とP-Study Sytemという暗記アプリで暗記した。
- 京大・学術語彙データベース 基本英単語1110
- 高3の夏に購入して、最後まで使用
- 文理共通・文系・理系と分かれているが、文理共通を一通り覚えると京大の英文解釈がかなり楽になった。
番外編(高校入学前)
入学直前ににわかにモチベーションが上がっていたときの学習を紹介。
当時の単語学習は
- 学校で配布された単語プリントを書いて覚える→限られた個数を覚える
- 教科書の例文を書いて暗記する→単語が使われる文脈や文法を一緒に覚える
の2つ。とにかく書いて覚えていた。
使っていた参考書など(2014/8, 追記予定)
英単語
- VITAL1700
- DUO 3.0
- 京大・学術語彙データベース 基本英単語1110
英文法
- ラーナーズ
- 入試頻出英語標準問題1100
- 大学入試英語頻出問題総演習
- すべて解答できるようになるまで繰り返し解いた
- 英文暗記はしていない
英文解釈
- 薄めの参考書×2冊
- 学校で借りたものなので名称不明
- 文法項目ごと分類されていた
- 過去問
英作文
- 大矢英作文講義の実況中継
- 過去問演習
- 高3の春から、学校の先生に頼んで添削していただいた(重要)
長文読解
まとめ
上で書いてきたのはあくまで一例で、この通りにやるのがいいという訳ではありません。
結局のところ、「自分の学習を主体的に考えていくこと」が一番大切なことだと思っています。ググったり本を読んだり人に聞いたりしていろいろ情報を集めていくのはあくまでこの意識のもとで行われるべきです。
この記事は僕の経験に重点を置いていて、アドバイス的なことはあまり書いていません。個別に何か聞きたいことがあれば、今後もコメントなり(どの記事でもOK)メールなりで気軽に質問してください :)